なぜテレビに出ている芸人は、面白くボケれるのか?

話が面白くなりたくてボケたくても、どうやってボケればいいのかわからない…。

笑いをとるために色々なテクニックがありますが、どれもいざ使うとなると難しいですよね。



ボケのパターンは覚えなくてもいい

ボケのパターンは数多くありますが、会話を上手になろうとした際にそのパターンを覚えて現実に使える人は少ないです。

なぜか?

それは人は選択肢が増えれば増えるほど行動が鈍くなるからです。

そのため、ボケのパターンを覚えるのではなく、すべてのパターンに共通する本質を1つ覚えておけば、実際に考えることが1つになるので、非常にボケやすくなるんですね。

これこそが、まさにボケるコツといえるでしょう。


悪い例
ボケようとしてパターンを覚える

ボケのパターンが多すぎて、現実使えない

良い例
ボケの本質を捉える

考えることが1つなので、実際に使える

ボケの手応えを感じるため、ボケるのが楽しくなる

つまり大切なのは、いかにボケるのか?というわけではなく、実際にボケて「これがボケてウケる感覚か!」とまずは実践することなのです。

まあこの記事を読んだ後に、あなたは少なくとも会話のボケにおいて上位10%に入り、実際に実生活にそのテクニックを使えば上位3%に入れるでしょう。

ほとんどの人は、このボケるコツを知りませんからね。


ボケるコツは、「無害な逸脱」


笑いの研究者ピーター・マグロウという男がいる。

彼の研究によると、笑いというのは物事が逸脱(脱線したり、不安定な状態)にありながら、無害(相手にとって許容範囲、問題がない)な状態に発生するという。

逸脱というのは、このブログでも紹介している。

人を笑わせる方法は2ステップで楽勝

1 相手の思う普通を考える
2 それを少しズラす

しかし、この逸脱(ズラす)というのも無害でなくてはいけないのだ。

この無害というのがポイントで、相手にとって有害だと意味がない。

というよりも、逆効果になってしまう。


例えば、バナナの皮ですべる話。

実際にこれが面白いかどうかは疑問だが、この話で笑う人はいるだろう。

しかし、バナナの皮ですべって頭を強く打ち、その人がなくなってしまった…という結末になったらどうだろう?

途端に笑えなくなるだろう。

それでも笑える人は、ブラックユーモアが好きというか、かなり笑いの許容度が広い人だろう。



なぜ無害である必要があるのか?


なぜ面白い人は、面白いのか?

今回はその悩みに答えを出そうと思います。

それは、逸脱が無害であるからというわけですね。

逸脱(ボケ)が有害だと人から嫌われますし、逸脱(ボケ)しなければつまらない人間と思われてしまいます。



面白くなろうとして失敗する理由


本人はウケようと思ってやっているつもりでも、周りがひいてしまうことってありますよね。

それはたいていの場合、そのボケ(逸脱)が周りにとって有害だからです。

さらにその有害の定義が人によって違うため、バランス感覚を要求されるわけですね。

ボケる側に必要なこととは、
・今からするボケはその人にとって有害かどうか?
この配慮が重要です。

なんでもかんでもボケりゃいいっしょ!というわけではなく、相手が不快に思わない範囲を見極める必要があるわけです。



なぜ悪口は人との距離を深めるのか?


職場などで盛り上がるのは、上司などの悪口ですよね。

これは共通の敵をつくって、共同意識をつくるという側面でも有効ですが、笑いという側面からもとても強力です。

その上司の強烈な悪口であればあるほど、面白くなる理由、それは…
その上司にとって有害なこと
であるからです。

つまり、ある人にとって有害であればあるほど、無害な人にとってみれば面白い…という人間には残酷な側面があるからです。

これを優越性の笑いといいますが、非常に強力なので悪用厳禁です。

例えばですが、嫌な上司の奥さんがなくなってしまった…などの出来事をジョークにすることは、出来ないハズです。

それは内心どう思っていようが、倫理観が人間にはあるからですね。

だけれども、多くの人がなくなっているにも関わらず戦争を題材にしたジョークはあるわけですから、人の安否をネタにするというのは完全にNGというわけではないですよね。

やはりその状況においてそれが有害か?無害か?というのは変わってくるということですね。



いじめられてる側がいじめだと思えばいじめ?


やはりいじめやいじりもこの無害か?有害か?に関わってきますよね。

太っている人がいて、それをネタに何か言われたとします。

太っている人に「また痩せた?」などの発言ですよね。

これはいじられている側がいじめだと思えばいじめですし、それは有害ということです。

ただ、太っている人が普段から「なんかまた痩せちゃったよ」⇒「いやいや、見た目わかんないから!」などのおちゃらけを求めている場合は、その人にとって無害なわけです。

この境目が人によって違いますし、何回もやるとしつこくなるわけです。

なので、ボケる際にもこのバランス感覚が求められるわけです。

無害を間違えて有害にしてボケた場合、面白いと思われるどころか、相手との関係を悪くしてしまうので、逸脱する際のコツは、
・それは無害かどうか?
フィルターにかけてボケを発動させるようにしましょう。



無害な逸脱とは?


なかやまきんにくんの飴のネタがあります。


(5:20~)

落とす飴をとるというゲームですが、結果的にどこか遠くへ飛ばして飴をゲットできない…というオチです。

これは相手が子供ですが、まあ無害の範囲といえるでしょう。

「子供の心が傷ついたぞ!どうしてくれるんだ!」と怒り出す人はいないでしょう。(たぶん)

さて、これを実際に現実で使うとしたらどうでしょう?



「元気ですよ」というフレーズで無害な逸脱を


「おはようございます、どうですか、今日の調子は?元気ですか?」
「元気ですよ、元気すぎてほら、鼻毛でてますもん」(無害な逸脱)
「いやいや、元気関係ないじゃないですかー」

まあこのやりとりが面白いかどうかはさておき…実際に使うとなるとこういった形になるでしょう。

「元気ですよ」と答えるのは普通ですが、そこを逸脱させるわけですね。

元気すぎてやばい表現をぶちこんだり、逆に元気じゃない感じの逸脱でもいいですし、意味をわからなくしてもOKです。

「元気ですよ、叫んでいいですか?」(元気すぎ)
「元気すぎて、誰か殴りたい気分ですね」(元気すぎ)
「気合いだ!気合いだ!気合いだー!」(元気すぎ?)

「元気ですよ、ほら、目充血してるでしょう、寝てないんですよ、でも逆にハイ」(元気じゃない)
「元気ですよ、めちゃくちゃ薬飲んできますし」(元気じゃない)
「元気ですよ…ゴホっ…」(元気じゃない)

「元気すぎて、神の存在を気にしてます」(意味が分からない)
「俺のこと今日からゲンキングってよんでください、男もイケる気してきました」(わかるようなわからないような)
「全盛期の梅宮辰夫ぐらい元気ですね、あるいは誠意大将軍の羽賀研二」(雰囲気)

日ごろの何気ない会話でもほら、こんなに無害な逸脱をすることができるんですね。



具体的にどうやってボケる?コツ


では、具体的にどうやってボケていくのか?

日本人は高コンテキスト文化といわれ、いわゆるノリですね、これは世界でも稀に見る「わかりにくい笑いの文化」ともいえるでしょう。

つまり、日本人は笑うけど、他の国の人にはわからないという笑いが多いということです。

さらに最近ではテレビの衰退化とともに、より一層その傾向が強くなり、そのコミュニティにおいてのみ存在するノリのようなものも多くあります。

古くは、学生の頃やった面白い特徴をもつ先生の物まね的なものですね、その先生を知っている人はわかるけど、他の学校の人はわからない…という類の笑いです。

この限られたコミュニティでのノリをいかにつくっていくのか?というのが非常に大切です。

これをコミュニティ内の笑いと定義すると、一般的にテレビなんかでやっているのは一般的な笑いになります。

ただし、一般的な笑いといってもそのテレビ内での内輪ネタのようなものを共有してコミュニティ内の笑いにしていることも多くあるので、厳密に境目があるわけではないですね。

海外に比べて、日本のテレビは芸能人同士でいじり合っているイメージがあります。

こうしたことからも、日本人がコミュニティ内の笑いを好む傾向がみてとれますよね。



一般的な笑い コミュニティ内の笑い
笑いの攻撃力 浅い 深い
攻撃範囲 広い(誰にでもOK) 狭い(よりパーソナルに)
メリット 誰にでも使えるので、初対面に最適 その相手や特定の誰かにしか使えないゆえに、深い関係を築くことができる
デメリット 範囲が広いゆえに、あまり心にささらない 相手のノリを見極める必要がある

この図をみると、最初は一般的な笑いから入り、徐々に相手の情報をえたらコミュニティ内の笑いに切り替えよう!と考えるのが最も安全なやり方といえるでしょうね。



天気の話は最強なのか?


よく天気の話というのが例に出されますが、これなんかはベタすぎて逆に難しいと思いませんか?

しかし、自分のキャラや相手の情報に合わせて+aの逸脱を加えることでボケになります。

「今日天気いいですね、男だけど紫外線が気になります、怖くて一歩も外に出れませんでした」
「今日天気いいですね、日焼けしたいんで裸で外歩きたい気分です」

こういった形で無害な逸脱を放り込めば、まあ一般的な笑いになるでしょう。

これをさらに共通の知人や相手の情報に絡めて無害な逸脱をすれば、コミュニティ内の笑いに進化させることができます。

まずは一般的な笑いでボケて、相手に「コイツがこういう冗談いう奴なんだな」という認識をつけるのが第一歩ですね。

そうすれば次からは相手はつっこんでくれるか、あるいはクスリ笑いくらいはするでしょう。



相手のノリを考える


人を好きになるかどうか?というのは、実は意外なところにあります。

それは、
・自分と相手の間にノリをつくれるかどうか?
にかかっています。

自分と相手に独自のノリをつくることができれば、相手はそれを楽しみにて、あなた中毒のような状態になるのです。

ですから、一般的なボケで距離を縮めた後は、相手の情報をベースにボケを構築していきましょう。

そうすることで、相手にとってあなたはまるでオーダーメイドした世界で一着のスーツのような着心地の人間になるはずです。

既製品で溢れる世の中、あなたは相手だけのオリジナル。

これは好きにならないわけないでしょう。



ボケる注意点


ボケる人間には、2種類います。
・面白いボケ
・つまらないボケ

です。

無害な逸脱をして、相手のノリを考えれば面白くボケるのは可能になるんですが、ひとつ注意することがあります。

それは、
・相手が気をつかう
ということです。

ありがちなのが、相手の反応を求めすぎてしまうことです。

よくいますよね?何かボケて「どう?俺の今のストレートパンチは?」とドヤ顔するやつ。

それだと聞いてる相手は「なにかツッコまないといけないのか…面倒だなあ…」と感じてしまいます。

そのため、
・俺はボケましたけど、あなたは仕事終わりに家でテレビをみているような気軽さでリラックスしてくださいね、ツッコみたくなったらツッコんでね!
というような姿勢が重要です。

その姿勢が「ああこの人は一人でボケてるんだ、勝手にやっているだけなんだ」と安心します。

「なにか面白いことやれよー」とか言う、うざい奴いますよね?

自分では何もせずに相手に何かを求める、そしてそういう奴は大体何をしても「つまらないよ」と言います。

これはただ優越性をみせたいだけで言っているパターンですが、こういう奴の反対をやるわけです。

率先して俺がボケますよと、でも笑うかどうかはあなたが決めていいし、何も反応しなくてもいいよ、と。

相手に気を遣わせないためには、自己完結することが重要です。

なので、自分がボケる際には必ずツッコミも自分で考えておきましょう。

相手がツッコんできた場合はそのまま会話を続ければいいですし、相手の反応が薄かった場合は自分自身で火を消せばいいわけです。

例えば先ほどの例だと…
「元気ですよ、めちゃくちゃ薬飲んできますし」
「え、はあ…」
「薬飲んで元気って、元気なのかどうか意味わかんないですけどねー、」
「あ、はいそうですね…」
「そういえばあれどうなりました…?」←話題を変えるw

こうすることで、相手に負担をかけないわけですね。

「薬飲んで元気」というちょいボケが不発でも、自分自身でツッコんでしまえば問題なし。

ボケが+の戦略で攻めなら、この一人ツッコミは守りの戦略。

ボケて相手に負担をかけてしまっては元も子もないので、必ず相手に余計な心労をかけないようにしましょう。

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